相続人が複数いる場合、遺産は相続人全員の共有となります。この共有状態を解消し、各人に取り分を分配するには遺産分割手続がなされる必要があります。
という3種類の手続があります。
共同相続人は、いつでも協議による分割を求めることができ、他の相続人が協議に応じ、相続人全員が合意して協議が成立すれば協議分割が実現します。
しかし、他の相続人が協議に協力しない場合等には、家庭裁判所に対して調停分割を申し立てる必要があります。調停分割においては家庭裁判所が対立する相続人らの間に入って調整を図ってくれますが、協議分割と同様に全員の合意がなければ分割は実現されません。
調停によっても分割ができない場合、審判分割手続に移行し、家庭裁判所の審判に基づいて遺産が分割されることになります。
弁護士は、①~③のいずれの場合も代理人となることが可能です。
協議分割による遺産分割の方法は、当事者全員の合意に基づく限り、どのような内容・方法による分割も認められるのが原則です。
法定相続分に従う必要もなく、相続人のうちの1人だけが遺産を独占するような分割内容であっても問題ありません。
ただし、全員の合意が必要ですから、たとえ1人でも協議内容に合意しない者や協議そのものに応じない者がいれば協議分割は成立しないことになります。
また、他の共同相続人に騙されたり、強迫されたり、または重要な点につき錯誤(=勘違い)をして(②本心からの合意の要件を満たさない)協議分割を成立させた場合は、その協議は無効または取り消すことができます。
審判による分割は、当事者全員の合意に基づく分割ではないことから、客観的に公平な基準として民法906条が定める基準=「遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。」といった基準に従って、裁判所の判断で、分割がなされることになります。