過失割合って何?
これは、損害を公平に分担させるという趣旨のもと、交通事故により生じた損害を、両当事者にどのように負担させるべきか、という問題です。もっとも、被害者は、すでに損害を負担している状態にあるので、実際には、加害者側に支払わせる損害賠償額をどこまで減額するかというお話になります。
過失割合は、損害額と並んで、交通事故が発生した場合に最も揉める事柄の1つです。損害額を決める段階で散々揉めた後に、次にこの過失割合でもう一度も揉めることになる、というパターンが多いのです。
過失割合が争われる場面には次のようなものがあります。
①そもそも過失割合を決める前提となる事実について両当事者の言い分が異なる場合(例えば、交差点における出会い頭の衝突という事案で、どちらも、自分が交差点に進入するとき信号は青だった、と言っている。)と、
②事実については一致しているものの、「ぶつけられた自分は、全く悪くない。過失なんてない。」と言っているような場合があります。
①の場合、お互いの言い分を譲歩できない場合には最終的に裁判所でどちらの主張が正しいのかを判断してもらうことになります。
また、②の場合には、過去の裁判例の集積によって事故の類型ごとに過失割合が定めているので、それが一応の基準になります。
